花の咲く教室
「…。」
「…。」
白菜は立ち上がりずっとこっちの方を見ていた。いや、正確に言えば……その目は祐志君をとらえていた。
しっかりと、とても強く惹かれる目で。
思わず、声が出なくなる。
あんな目で見られたら、誰だってそうなんだろう。
「…。」
「…祐志…。」
沈黙を白菜が破った。
「…」の繰り返しに耐えかねたのだろうか―――――いや、多分違う。
そんな事を思うとは思えない。
白菜の言葉に祐志君ははっとしたのか少し身体が動いた。
「…先輩…。」
見つめ合う二人を冷やかす思いで見ている生徒はだれ一人いなかった。
むしろ、緊張さえしていた。
いつもなんだかんだ言っても仲の良い2人として周囲にはとらえられていた。
しかし、今は違う。