花の咲く教室



♪~♪♪♪



昔と変わらない、優しい音色。



だけど、彼はすぐ感じた。



――――――あのCD、聞いたんですね…。



いったい…どんな思いで…?



先輩が去ったあの日の想いを書き連ね作ったあの歌は、先輩には絶対聞かせまいと、封印をしていた。



悲しみや怒り、自分の無力さ…僕の感じたこと全て、伝わってしまう気がしたんだ。



全て受け止めて聞けるほど…



あの切なさを知っているからこそ、全て受け止められる場所があるなんて、



そんな人間…いないと思うから。



自分の気持ちをはき出すための歌はあなたへの傷に変わってしまう。



聞いてしまった先輩…あなたに僕ができるのは…



彼はそっとマイクを持った。



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