花の咲く教室



夕ごはん―――――



僕はいつものようにお父様の向かいの席に座る。



お母さまはいない。



「祐志…最近芳しくない動きをしているようだが。」



お父様は低めの声で僕に聞く。



お父様の威圧は本当に怖い。



「そうで…しょうかね?
普通どおりですが…。」



「これでは「虹のカケラ」とかいう歌手をしているヤツの方が良いのではないか?
いや…「虹のカケラ」をしているから「祐志」よりいいのか…。
わが家の一番は「祐志」、お前でなくてはいけないな。」



「お父様…!
祐志は関係ありません、悪いのは僕なんですから…。」



「ふ…では今後の行動を改めるべきだな。
嘘もつかぬようにしなくてはな。」



―――――――――バレてる。



僕が祐志を学校に行かせようとしてること、バレバレだし…なんで知ってるんだ!?



いつもお父様は何でも学園のことを知っている…



もしかして誰かスパイがいるのか?



「…ごちそうさまでした。」



机から立って去ろうとする僕にお父様はひと言いった。



「まぁ、気分転換も悪くはないが多すぎるのは問題だろうな。」



ち、と舌打ちを心の中でする。



まったく…先輩は本当にすごい人だったんだな…。



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