Lover×DreamerⅠ
ふと、思う。
あたしはなんのためにここにいるんだろう。あたしは誰かに必要とされているのかな?
――――天音唯花は、誰に必要とされてるんだろう?
カコーンッ
「やばっ、王子カッコイイ!!」
「輝きすぎてるって!」
授業中、前の席の女の子たちからそんな声が聞こえてきた。
…あ、いおちゃんだ。
どうも、伊織のクラスは授業中らしく、野球をやっている。
いおちゃんがヒットを出したみたいで、いおちゃんと同じクラスの女の子が授業そっちのけで、キャーキャーと黄色い声援を送っている。
やっぱいおちゃん凄いな…。
その中でも男女問わず人気な、目立つ女の子がいおちゃんの目の前に現れて。
“はい”
と、いったような感じの口を開いて、そしてタオルを渡した。
“ありがとう”
いおちゃんの口がそう告げて―――――…女の子の手からタオルを取る。
とてもお似合いな二人。どこか初初しさが残る二人。
きっと、これが山名ほのかじゃなかったら確実にブーイングだと思う。
…というより、“制裁”が行われる。