Lover×DreamerⅠ
「じゃーね!」
「ばいばーい」
皆学校から去っていく。
そうだよね、部活あるし、教室に残る必要ないもん。
そんな私には挨拶はされない。
存在を消されてるわけじゃないけれど、いおちゃんの近くにいるってだけで、嫉妬の渦に巻き込まれる。
これがきっと、私が「伊織?好きなわけないし」とか、本当にいおちゃんが好きじゃなかったら、もっと違ったって思う。
別に皆、「仲いいんだね―、幼馴染だしね―」で終わる。
そうじゃないのは、私がいおちゃんのことを好きだから…。
でも、いおちゃんは違う。
いおちゃんは私に他の女の子と変わらない笑顔をくれる。変わらない態度で接してくる。
それは残酷、なのかな。
でも…だから、わかるの。
あたしはいおちゃんにとって“特別”じゃない―――
そんな苦しくて悲しい現実が。