社長のご指名 *番外編Ⅱ*
結婚する前からなついてくれていたけど、産まれてからずっと“父親”というものがいなかったせいか、章菜がいないと不安がっていた。





「さえちゃ、ぱぱぁ、はおー。」


「おはよう。」


「おはよう鈴ちゃん。リンゴジュース飲む?」


「のむ!ぱぱ、りんものむ!」





皿に盛り付けていると、紗衣とお揃いのパジャマを着た鈴も起きてきた。





「紗衣はテーブル拭いてくれる?鈴はジュース取りにおいで。」





紗衣にフキンを渡して、鈴にはプラスチック製のコップを渡す。





「こぼさないようにね。」


「はぁい。」





テーブルを拭いた紗衣が戻って来て、パンの入ってるバスケットを運んでくれる。





自ら進んで手伝いをしてくれる事に感心する。




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