コーヒーとミルク
いつも通りの毎日、と言いたいところだけれど
なぜか朝からたくさんの人(男子)からお呼び出し。
結衣…昨日言ってた言葉の意味がやっと分かりました…
「晴奈〜お呼び出し〜1年の子だって〜」
助言をした親友はのんきにこちらを向いて手招きをしてくる。
「…休み時間くらい寝たいよ〜」
「ほらさっさと行く!!ってか今日これで何人目?」
「…8人…嬉しいのかよくわかんないよ〜」
誰かに好意を寄せられてるのは嫌な気分はしないけど
あまりにも人数が多いとありがた迷惑というか…
とぼとぼとガヤガヤ騒がしい教室を出て誰もあんまり寄り付かない屋上へ向かう。
寄り付かないというか告白の定番の場所だから暇な人は陰で覗いているとかいう噂。
少し重いドアを開け覗くと視線の先に少しこんがりと焼けた肌でモデル体型のチャラそうな人影。
「あの〜私を呼んだのはあなた?」
「そうです〜!あの〜一目ぼれしちゃったんですよ!!」
きっと今の私は苦笑い。
あまりにもストレートすぎてどういう反応をすればいいのか迷う。
「ごめん…気持ちは嬉しいんだけど…」
気まずくて思わず下に俯き自分の上履きを見た。
「断るのはまだ早いですよ?いい返事しかもらわないので」
「…え?」
「絶対俺を好きにしてみせますから!!」
ニコッと可愛らしい笑顔を残して有無を言わさず颯爽と1人帰ってく。
今までにないキャラに圧倒されながらも
きっと冗談半分で言っているんだろう。
そんな勘違いをしたまま何事もなかったように自分も教室へ戻ってゆく。