†続†黒いスーツの王子様
さらに涙目になり、視界はにじみはじめる。




「…なんでも俺がしてくれると思ったら大間違いだ。甘えんのもいい加減にしろよ。付き合ってんだから、悩みがあんなら俺に言えばいいじゃねぇか‥」

「・・ヒック………」


とうとう涙がこぼれ落ちる。

泣くな…。私が悪いんだから。
泣いたって、今日の祐輔は私を慰めてなんかくれない。


祐輔に甘えてた上に、レオくんに相談なんかして……ほんとバカみたい。

祐輔に言えばいいじゃない。なんで言えないのよ………





「…とりあえず今日は帰れ。帰って少しひとりで考えろ‥」


祐輔は灰皿でタバコの火を消し、事務所から出て行こうとする。



「ま、待って!」


私は祐輔の腕を引っ張った。




「祐輔が私がいるとやりにくいんなら…私っ、ヒック‥‥主婦になるっ!祐輔のために毎日家事頑張るから……ぅぅ」


泣きながらやっとのこと声を出す私。
喉は熱くなり、ズキズキと痛かった…。

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