†続†黒いスーツの王子様
祐輔の腕を掴む力が強くなる。




「……俺も‥結局、淳(ジュン)と同じかよ・・」

「ぇ・・・」


淳……。私の元カレ。
私に暴力を振るっていた男。





「俺も結局…お前を檻にいれることになるかよ・・」

「―――!!!!」


祐輔の声が震えていた。

私の手の力は弱まり、祐輔の腕からスルスルと離れた…




「…30分後に・・下にタクシー呼んどく……」


そう一言残し、祐輔は事務所から出て行った。

私はその場にしゃがみ込み、うわんうわん泣いた…。



祐輔にあんなこと言わせてしまった自分が、情けなくて悔しかった・・

ごめん、ごめんね祐輔。


そう…心で繰り返すしかなかった。





…………
………


涙が少し落ち着いてきて、祐輔に言われた通り‥私は帰ることにした。

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