†続†黒いスーツの王子様
今は店の入り口で、タクシーを待っている。



…タクシー遅いな。

携帯の時計を見ると、まだタクシーが来る時間まで10分近くある。


店に戻ろうかな……
でも、お店には祐輔がいるから・・

また、涙が出そうになる。





“俺も結局……お前を檻にいれることになるのかよ”


さっき祐輔に言われた言葉が、胸に突き刺さったまま…。




「‥希ちゃん?」


――!!

後ろから降ってくる声。
私は急いで涙を拭き、後ろを振り返った。





「あ…レオくん。」


振り返ると、そこにはレオくんが立っていた。



「…どうしたの?」

「いや、お客さんを見送りに来たんだけど…希ちゃんこそどうしたの??」


心配そうに私を見てくるレオくん。

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