白虎連合Ⅳ
心臓が高鳴る。
目線を必死に逸らして。
やばい。
やばい。
「龍、あんな」
「もう無理、キレた」
「ちょっ…!!!」
グイッと強制的に二の腕を掴み、歩き出す。
校舎裏を後にし、校門を目指していて。
掴まれた腕が離せない。
目の前の背中が怖く感じる。
「龍聞いてって!!!」
「……………」
「隠してたんは悪かったけど、ちゃんと断ってたやん…!!!」
「……………」
「龍!!!」
怒鳴るか叫びかわからない声。
下校中の生徒の視線が痛い。
それなのに龍は一度も振り向かない。
校門が遠くなる。
空に雲が掛かっていて。
やっと立ち止まったのは、
「いた…!!!」
人気の無い、路地。
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