白虎連合Ⅳ





コンクリートの壁に背中を打ちつけられ、思わず顔をしかめる。

痛くて、訳がわからなくて。




ゆっくりと目を開くと、視界には龍の顔。

あまりにも一瞬で避けられることなんて出来なくて。








「んん…!!!」









唇と唇が合わさる感触。

優しい、なんてもんじゃない。







「りゅ、ん…!!!」







舌が入り込む。

それが怖くて、恥ずかしくて。



なんとか龍の胸を押して離そうと試みるけど。

力なんて、出ない。








「…なぁゆいさん、」


「え…?」


「俺の事、嫌いっすか?」







離された唇の代わりに降り注いだのは。







龍の悲しい顔。










.
< 124 / 385 >

この作品をシェア

pagetop