白虎連合Ⅳ





肩から龍の手が離れる。

まさかの名前に、私は目を見開いて。





英寿、くん?









「ちがっ、違う!!!」


「英寿さんの言うことならゆいさん何でも聞くっしょ?」


「英寿くんは関係ないから!!!聞いてって!!!」


「だってそんなん訳分からないじゃないっすか!!!」







龍の怒鳴り声が路地に響く。

泣きそうになった私も、必死に耐えて。




英寿くんは関係ない。

体育祭以来会ってないねんから。






英寿、くん?









「なんで、英寿くんが出てくるん?」


「……………」


「なんで真っ先に英寿くんを疑うんよ」








嫌な予感がする。

そんな私を見て、龍は冷たい目。



この目、前見た。











「言ったっしょ?俺英寿さんの事が嫌いって」











旅行のときに。










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