白虎連合Ⅳ





龍から離れ、英寿くんは歩道に戻る。

告げられた言葉に私はまだ動けない。





私の視線には龍。

今なら龍は話を聞いてくれると思うから。







「りゅ、」


「…華風さん呼ばれてますよ」


「聞い、て」


「すんません、今頭混乱してるんです」







結局、それは叶わなくて。



座り込み、龍の表情は泣きそう。

いつもなら直ぐに傍にいくのに。





何故か行けなくて。

変わりに拳を握った。







「ゆい」


「でも、」


「来いっつってるやろ!!!」


「…はい」







固まっていた足を必死に動かす。

雄大くんから離れ、英寿くんの後を追いかけた。






心が、痛い。








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