白虎連合Ⅳ





「英寿くん、」


「……………」


「うち、暴走せなあかんねんけど」


「雄大が代わりにやってくれよる」






控えめに声を掛けると、返ってきた返事。

振り向けば確かに雄大くんがバイクに跨り、皆に笑顔を向けていて。



皆が遠くなる。

ただ、歩く度に私の特攻服が揺れた。







「あの、」


「……………」


「なんか…怒ってる?」


「あ?」







私の言葉に、ピタッと止まる足。

鋭い目はさっきと変わらず。




もう皆は見えない。

街から外れてしまった。




怒ってる意味が分からない私は、解決方法を知らなくて。







「ええから来いや」








二の腕を掴まれ、英寿くんの歩幅に合わせる。




怖い。

なんだか怖い。








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