白虎連合Ⅳ
背後から聞こえるのは寿の声。
きっといつまでも降りて来ない私を呼びに来たんだと思う。
振り向けない。
涙を見られたくない。
「風呂、沸いたから」
「……………」
「ちゃんと砂落とせよ」
優しい言葉が余計に心に響く。
いつもはうるさいくせに。
「後、龍とゆいは好き合ってたで」
「……え?」
「誰も教えへんから教えといた」
「ありえ、」
「もうゆいは一人ちゃうねんから、少しは周りを信じていいと思うで」
去り際に、告げられる言葉。
一気に言われて混乱したけれど。
白咲を好き?
うちが?
でもそれは写真が証明している。
認めたくないけど。
わかってるよ、一人じゃないんは。
ただ、どう接したらいいか分からん。
だってずっと一人で生きてきたもん。
窓から見える空は未だに晴天。
けど私の心は、
雨。
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