白虎連合Ⅳ
「ほらもう顔上げていいよ」
「あっ、はい」
「但し雄大くんと蓮だけ」
「はっ?!」
「ゆゆゆいさん?!」
「顔上げたら木刀食い込むで」
蓮は紫織のことで熱くなっただけ。
雄大くんは…まぁ許したげる。
けどこの二人はダメダメ。
めっちゃダメダメ。
明らかに不満な二人を残し、私は歩き出す。
そして立ち止まり、頭を下げた。
「紫織、ごめんなさい」
視線に移るのは、紫織の足。
と、地面。
拳を強く握る。
紫織を蹴った足が、痛い。
「あたしこそ…!!!あたしこそごめんなさい!!!」
「蹴ってごめん、酷いことしてごめん」
「ゆいー!!!よかった!!!」
「紫織、」
余りにも強い力で抱き付かれ、思わず足に力を入れて踏ん張る。
そして紫織の背中に腕を回した。
うん、よかった。
本当によかった。
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