白虎連合Ⅳ
「なぁ寿、」
「んー?」
やっとテンションが落ち着いた寿に話し掛け、ゆっくり走る。
髪が靡き、少し目を細めて。
「うち一人だけ日本残ってよかったわ」
「なんでー?」
「だって寿一人にせんでよかったやん」
周りの音は、とても大きい。
だから私の声が聞こえたか分からないけど。
もし私がいなかったら、寿は一人。
考えたら、ちょっと切なくなった。
「本間に寿のことは嫌いやったし、ムカついたし、ウザかったけど」
「…言い過ぎやろ」
「お父さん達が帰ってくるまで二人で頑張ろな」
「……………」
「あんたも本間は寂しいやろ?…って聞いてる?」
「ゆいー!!!!俺涙止まらへん!!!」
「ちょっ、涙拭くな!!!」
抱き付き、人の特攻服で涙を拭くバカ。
でも今日は許してあげよ。
そしてそんな家族愛を壊す、もっとバカ。
「オラお前ら引くぞー!!!」
「ゆいさん俺我慢出来ません!!!」
雄大くんとその隣に座る英寿くん。
と、龍。
バカ三名。
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