白虎連合Ⅳ





「なぁ寿、」


「んー?」







やっとテンションが落ち着いた寿に話し掛け、ゆっくり走る。

髪が靡き、少し目を細めて。







「うち一人だけ日本残ってよかったわ」


「なんでー?」


「だって寿一人にせんでよかったやん」








周りの音は、とても大きい。

だから私の声が聞こえたか分からないけど。




もし私がいなかったら、寿は一人。

考えたら、ちょっと切なくなった。








「本間に寿のことは嫌いやったし、ムカついたし、ウザかったけど」


「…言い過ぎやろ」


「お父さん達が帰ってくるまで二人で頑張ろな」


「……………」


「あんたも本間は寂しいやろ?…って聞いてる?」


「ゆいー!!!!俺涙止まらへん!!!」


「ちょっ、涙拭くな!!!」






抱き付き、人の特攻服で涙を拭くバカ。

でも今日は許してあげよ。






そしてそんな家族愛を壊す、もっとバカ。









「オラお前ら引くぞー!!!」


「ゆいさん俺我慢出来ません!!!」









雄大くんとその隣に座る英寿くん。

と、龍。






バカ三名。








.
< 344 / 385 >

この作品をシェア

pagetop