白虎連合Ⅳ
「珍しい」
「何がです?」
「龍なら殴ると思った」
「折角のデートは穏便に済ましたいからですよっ」
そう言い、私の手を握る。
歩き出し、私はただ着いて行って。
なんか龍大人なったな。
昔は直ぐ殴ってたのに。
確かに今喧嘩したら雰囲気ぐちゃぐちゃ。
考えてくれたんや、ちゃんと。
「ゆいさんかて女の子ですからねー」
「ん?」
「女を守るのは男の役目っす」
以前は舎弟が先輩を守る。
そういう関係やったけど。
今は違う。
彼氏に守られたんや。
あかん、顔赤い。
「プリクラ取りましょかっ」
「…うん」
女の子として見てくれたのは。
龍が初めて。
.