お前のためなら死んでやる2
XXX
「ハル、おはよ。」
朝目覚めれば君がいる。
「ハル、ただいま。」
家に帰れば、君がいる。
「優音、おはよ。」
返事が返ってくる。
「優音、おかえり。」
笑顔で迎える君がいる。
これがきっと愛なのだろう。
昔の小さな男の子とはまったく違う君だけど、あたしは君を好きになったのだろう。
だって、こんなにも君が愛しくて、苦しいぐらいに、幸せだから。
心がまだ誰かを求めている事は、あたしはまだ知らない。
いや、ただ逃げていた。
桜咲がまだあたしの中に存在することが、幸せにハルといるとどうしても忘れられない。
ハルを愛しているのに、
桜咲も好きになりそうだったから。
初めてあった時から、あたしは君が好きだったのに…
あたしは、この気持ちから逃げている。
今あたしにはハルがいる。
あたしはハルが好き。
それでいい。
あたしは、ハルだけが好き。
…やっぱり少し心が痛い。