お前のためなら死んでやる2
「長瀬、好きな席座れ。」
そう小坂の合図でハルがあたしの隣りにきた。
「おい、そこの小僧席変われ。」
ハルはやっぱり不良だね。
でもあれから喧嘩をする姿を見たことがない。
あたしの我が儘を聞いてくれた。守ってくれた。
「フフッ。ハル前の席にしなよ。丁度空いてるし。」
「ちっ。優音の隣りの方が近かったのに…」
ハルやっぱり隣りにすれば良かったね。いつでも側にいたいから。
「なぁ優音、サボろうぜ?」
初日からサボるなんて。
「屋上行こう?」
屋上。GOD-1の溜まり場。
「桜咲いるかもよ?」
「んーじゃあ、帰ろっか。」
今日は教室にいると、視線がいたい。帰るか。
「ん。ハイッ」
そうあたしは返事をして、手を出した。
あたしたちは、きっとどのカップルよりもわかりあえてる。イチャイチャとかそんなんじゃない。手を繋ぐのは、あたしたちに愛がほしかったから。それを確認するため。