お前のためなら死んでやる2
「…優音」
「…んっ」
「愛してる。」
「あた…し…も」
ハルは何度も何度も何度もあたしの名を呼んだ。
愛してると何度も耳元で囁いた。
愛を感じる。
ハルがあたしの中にいる。
離したくない。
あたしはハルの背中に手を伸ばし、熱いくらいにほてった背中をギュっと抱き締めた。
あたしを離さないで。
「…はる」
桜咲。
あたしは、あなたが好きだったんだろう。きっとずっと…昔あった男の子は君。証拠なんていらない。あの黒子と君の香り。わすれるはずがない。
信じたくない。なぜ君は喧嘩をするの?
あたしはやっぱりあなたを嫌う事しかできない。
許して。再び出会った君にあたしは嘘をついた。
嫌いと。
ハルが好き。
でも、桜咲も好き。
あたしはほんとに
愚かな人間だ。
今はハルだけを好きでいたい。
君を嫌いと思いたい。