お前のためなら死んでやる2

「いがら」

…叫びかけた声を途中でとめた。

俺はここにいると示すように挙げた手は、力が抜けるように落ちていった。

誰だよ?なんで隣りに男がいるんだよ?

なんで髪色が同じなんだ?

なんで……

手を繋いでいるんだよ。

お前はどうして、幸せそうに笑えてるんだ?

あんなにも、孤独だったのに。

俺だけが救いたいと思っていたのに。

俺にその笑顔を向けろよ。

それとも、俺はお前の中に存在もしなくなっちゃったのか?

お前は俺を嫌いどころか、存在すら忘れられたのかよ…

俺は君が好きで、

君はソイツが好き。

ソイツは君が好き…

その愛しそうに五十嵐を見るアイツは。

三角関係とかじゃない。

あきらかに俺だけの一方通行。

やっぱり、俺はお前を

好きになっちゃいけないのか?
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