お前のためなら死んでやる2
「…ゅのん?」
「あっごめん。考え事してた。」
「もうそろそろ戻ろっか?歌早く聞きたいしさ。」
「そうだね。」
あたしとハルは会計を済ませ、ber.tomokiに戻った。
まさか、知樹さんが篠原のお兄さんだったなんて…
知りもしなかった。
桜咲がいなくなった事も、
知樹さんがあたしたちがいない間に連絡をとっていた事も、
あたしは知らなかった。
これは罠なのか、
それとも…
あなたたちはなぜ
あたしに構うの?
…………………………
あたしたちは、いつもよりいっそ寒い繁華街を肩をそろえながら歩いていた。