お前のためなら死んでやる2

翌日、リョウから重要な情報がはいった。

『アイツ』が誰か。

五十嵐は自分の事分かってないと言った。

それはお互いさまだけど、俺は確かにお前の事何ひとつ分かっていない。

お前が言った『アイツ』が、お前の人生にとっての傷になってる。

リョウの情報によると、五十嵐の昔の小学校の同級生がいたらしい。

そいつによると、確信はないが、五十嵐の家庭は悲惨だったらしい。

授業参観にたまにでる母親は、体中が痣だらけだった。

そんな母を持つ彼女は、友達からも軽蔑された。

彼女は、母を嫌うわけでもなく、誰かに文句を言うわけでもなかった。

ただ、独りでポツンと席に座っていたそうだ。

彼女は転校してきた時から、目立ったわけでもなく、周りよりは冷めた性格をしていた。

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