お前のためなら死んでやる2
恥ずかしい事いわせんなよ。そうあたしから顔を逸らしながら言ったハルの耳は真っ赤に染まっていた。
「ハル、あたしね、歌で人を幸せに出来たらいいなって思ってるの。」
「すげぇじゃん、その夢。」
夢かぁ。あたしは子供の頃夢なんて持っていなかった。
知樹さんに出会えて見つけた夢。
夢があると、生きたいってもっと思える。
“目標がある事は大事だ。”
前に先生が言ってたかな?
「うん。ハルはあたしの歌聴いて幸せ感じた?」
「幸せかぁ…良く分んないけど、優音しか見えないぐらい引き込まれたよ。心がポカポカだったぜ?また、聴かせろよな」
うん。毎日でも歌ってあげようかな。
それで、ハルに幸せが訪れるなら。
あたしは、何回だって歌うだろう。
苦しんでいる人に幸せを。
君に幸福を。
桜咲にも…