お前のためなら死んでやる2
「何の鍋にする?」
「優音…」
「あ!キムチあったっけ?」
「優音。」
「白菜はあったよな。」
「優音!」
「鍋、どこにしまったっけ…」
「優音!!こっち向けよ!なんで泣いてんだよ!」
泣いてないよ。
あたしは泣いてなんか…
『なぁ?お前はなんでそんなに苦しそうに笑うんだ?』
あたし笑えてないの?
「何それ…あたし笑えてるよ?」
「わかんだよ。同じだけ辛い過去で生きた者同士、お前が苦しんでんの目に見えてる。」
「―――っ」
「無理に笑うなよ。俺の前だけでも、泣いていいから。優音泣けよ。泣きたいんだろ?なぁ?泣けよ…」
「うっ――は、る~あたし、あた、しなんで苦しいんだろ?」
「あぁ」
「なんで…なんでハルがいるのに…桜咲がいるの?」
「!?…桜咲…」
「嫌。嫌だ。あたし1人になりたくない。ハルぅ、あたしを捨てないで…あたしハルの側にいたい。」
「大丈夫だから
“お前は1人じゃない”。」