お前のためなら死んでやる2



「あたしは何も知らない。桜咲とは会っていない。どこにいるなんて知らない。」

最後の抵抗をした。

救いたい。

あたしみたいに苦しい人を見捨てるなんてあたしはしたくない。

ハルの側にいたいと思ったように、涼宮たちを助けてやりたい。

そう思っちゃうあたしは、純なみにお人好しだ。


「お願いだ。ちょっとだけ時間をくれ。お前しか頼るあてがねぇんだ。」


「やっと見つけたんだよ。知樹兄ちゃんからやっと連絡が入ったんだ。ねぇ、僕らと一緒に来てくれないかな?」


篠原が涼宮の後にあたしに言った。来てってどこに?ハルを置いていくなんていやだから…

「ちょっと待って!?知樹兄ちゃんって誰?まさか…」

「ber.tomokiって知らない?」

「知樹さんが、あんたのお兄さん!?」


本来の目的とは違う方向の話にあたしは食いついた。

ber.tomokiって…

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