お前のためなら死んでやる2
「俺は、零の昔を知っている。」
「!?」
昔。あたしが出会ったのも昔の過去。
「何に苦しみ、誰を愛したか。俺ら3人には言葉が無くても伝わる。」
「……」
「俺が言う事じゃないのかもしれない。零が五十嵐本人に言うのが零のためでも、俺は言いたい。」
「何?早くいって。あたしのハルが待ってるの。」
「――っ。アイツが、零がGOD-1を結成したわけをお前は知っているか?」
ハルに目を向けたと思えばまた苦痛にみちた顔をする、涼宮。
篠原はもう拳を握り締めているだけだった。
皆が皆強いと思っていたGOD-1。
それはとんだ間違いって気付いたのは、桜咲に出会ったあの時と今目の前で弱々しくうなたれる彼らをみたから。