【BL】ひらゝ舞ふ
15
林太郎は春三の聲も届かぬように近付いて行った。

「林太郎君……?」

林太郎は兼松の目の前で止まる。

「成果を見せて呉れるのだろう?」

「勿論。」

にこやかに林太郎は兼松に片手を添えた。
ただ、其の手は兼松の整髪を捕まえて、頭突きを交わす。

「兼松様……!」

脇に構えていた使用人が眩んだ兼松を支える。
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