★恋愛コンプレ★

わたしだけの先生だけじゃない
そんなの…
痛いほどわかってる…。

けど、好きでいることが
辞められなくて…
諦めるとそのままの自分で
居られなくなるようで
怖かった…。

好き、って気づいた時…
もっと…早ければな…
01日でも早ければれば…
もっと違ったのかな…。

今、ここで学んだこと…
それは…
恋愛なんて簡単じゃなくて、
恋愛を本気でするとなかなか
諦められなくなること…。

「しい…な…。」

「え?!あ、なんか、ごめんね。
わたし、しっかりしなきゃ。
…だって…わたしだけの…
先生じゃないもん…。」

「…椎名…。」

わたしは、その次の日も
また次の日も、
そのまた次の日も、
先生を忘れたことは、
一度もなかった…。

ただ、先生を遠くから
眺めている…
それだけが…
たったそれだけが…
わたしの自由だった…
誰にも邪魔されず…
静かに見ているだけの…
幸せだった…。

01週間が経過して…
ついに体育祭の本番になった。

「椎名ー!!
盛り上げて行こー!!」

「うん!!」

わたしと舞子はやけに盛り上が
っていて…
でも、相変わらずわたしの
くせは変わらなかった。

ただ遠くから見ているだけ…。

「あー。」

「椎名?!どうした??」

「へ?!」

わたしが先生を見ていた時、
築かないうちに声を出して
しまっていたみたい…。

「…椎名…変わったよね…
なんか…」

「え!?変わった??
…どこが…!?」

「うーん、ただ相手のことが
好きってだけじゃなくて、
辛さも凄く味わって来たから、
なんて言うか…
椎名が最近語ってること…
すごく大人びてる…。」

辛い…恋愛…か…。

先生のこと…好きになって…
よかった…な…。
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