短編■ 逆上ギャップ
『っ待って!! さっきから発言がキツイ、キモい!! なに、正野軽く変態じゃん、なんか気持ち悪いし!!
分かってる? さっきの正野…まじ気味が悪い、言ってることとしてること違うし!! 気色悪い!! やだー思い出すじゃん、すっごいヤダ、ほんっと嫌だ!! 信じられない!!
てゆか普通さ?! もっと私を気遣ってくれるもんじゃないの?! ほんっとしつこい!!
ほんっと…ちょっと…変、正野いっつも気配りキャラの癖に!! 私だからって調子に乗らないでよ、なんかヤダ、ムカつく!! てゆか眠たい!! どーしてくれんの!! 』
からかわれていることに気付けなくて、叫ぶ私はきっと正野の思うつぼ…
『それ前フリ? 分かった』
せっかく離れていた手が伸びてきて――
その手は私を素直にするから嫌だ。
『キモい!! やだ!! 変態!!』
嫌いという言葉、やだという言葉、全部が好きという裏返しで―――