短編■ 逆上ギャップ
確かに私と進は釣り合っていない。
派手でキツそうな感じの女と、誠実そうな感じの男。…アンバランスなんだろう。
きっと、進に合うのはパッツンで重めの前髪にふわふわ内巻きヘアの――
私服は花柄のワンピースにぺたんこブーツの甘めな感じや、膝丈スカートにリボン帯のカットソーな清楚な感じの、
“いかにもラブリー”な女の子なのだろう。
重々分かっているが、私には似合わない。
センターパーツの前髪はサイドに流れるように送り、胸まであるロングヘアをリバース巻きで馴染ませている。
私服は半端丈のリブチノパンに細身のTシャツ、スタッズのついた折り返しブーツな感じ…そう、典型的な強めのミリタリーコーデだ。
進に似合う女の子がパステルカラーなら、私はアースカラー。
それでも、告白されたのは私の方だった。
入学式で一番目立つ祝辞(?分からないけど生徒代表の…)を読んだ進を、ずっとずっと好きだった。
ただのがり勉ではなく、人から好かれる彼をいつの間にか好きになっていた。
そして高二の十月。
晴れて私たちは付き合うことになった。