LittleSmoker
人生をかえるモノは本当にそこらへんに散らばって落ちているなんてその頃の私にはしるよしもなかった。

バーコードをピッてうって、袋に詰めて、お釣りを返して、商品を揃えて、ゴミ袋を交換して。コンビニの仕事はとろくて何もできない私には調度いい仕事な気がする。外は山と山に挟まれた海も見える。お客さんもシーズンオフの今はトラックのおじさんたちがメインで少ない。地元の人は町から離れたこのコンビニにはあまりこない。
今日も陽が落ちる。海は漆黒に変わり空と山に匿われる。遠くにぼんやりと光る赤い灯台のライト。このコンビニの光りだけが車道を照らす。
有線から流れる音楽をぼーっと聞きながら外を眺めたり店内を見渡してため息をついた。…今日はかえりに“エトランシェ”のイチゴタルトでも買おうかなぁ…

ピンポーン…

不意打ちでお客が一人入ってきた。
「いらっしゃいませ。。」

男の子。か、女の子。か。とりあえず地元のヤンキーだ。肩ら辺まで伸びた髪。ミルクティーみたいな色。華奢だなぁ。白いシャツにくたびれたジーンズ腰パンして…うちの高校の子かな。うわぁ、カゴなんか持っちゃって似合わないなぁ…紙切れ…お買い物リストチラチラ見ちゃって小学生じゃないんだから。。。
ジロジロ見ていて絡まれたら堪らないからレジの横に置いてある商品カタログをパラパラ見ていた。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop