私が愛した男の子
「ちょっとまって!」
「なによ」
「お兄ちゃんたちって
県外じゃない!!」
そう、お兄ちゃんたちは県外に高級マンションを買って
暮らしているのだ。
もちろん私が通うはずの高校は県内にある。
「私高校どうなんのよ!!」
お兄ちゃんたちが暮らす街から高校までは
とても通える距離ではない。
「もう手続きすんでるわよん♪」
「はぁぁぁ!?」
「素直に認めろよ、真奈。
母さんに何言っても無駄だ」
「拓にぃい!」
ってことで私は次の日の朝この家を出たのだ。