ひこうき雲
「あーやっと終わった」
どんなに楽しかったとしても
バイトが終わるこの瞬間って
すごく開放感に包まれる。
一瞬で解き放たれる。
終わったー!
って。
携帯を開くと
もう夕方6時をまわっていた。
メールが6件と
着信が……10件!?
─カチカチカチ
見てみるとメールの半分と
着信の全部が遼希から。
今日はバイトって、
言ってあるはずだよね?
けど
なんか嫌な予感がする。
─…~♪…~♪…ピッ
「あっ、もしもし!はる…」
「お前ふざけんなよな!何してたんだよ」
「な……何って、バイト…」
「は?俺、聞いてないけど」
なに、言ってんの?
「昨日、昨日言ったよ!遼希もわかったってゆってたじゃん!!」
「聞いてないから、昨日なんか、酒飲んでお前泊まんないで帰ったじゃん」
酒……あっ
お酒…。
言ったこと、覚えてないだけ!?
この瞬間
あたしの中で
何かがキレた。