芽衣の恋愛論
それが芽衣との出会い。
完全に不信感を抱いて接していた。
俺には紗英がいたし、付き合い始めで誰にも邪魔されたくなかった。
次の日の夜、俺は体調がすっかり良くなって鼻歌まじりにビールを飲んでいた。
するとピンポンとチャイムが鳴った。
出ると芽衣が立っていた。
「体調はどうですか?」
芽衣は本当に心配しているようだった。
「だいぶ良くなったよ。」
俺が言うと、安堵の表情を浮かべた。
そして思い出したように手にしていた紙袋を俺に差し出した。
「あの、これ引っ越しの挨拶の品物です。どうぞ、つまらない物ですが…。」
俺はどうもと言って素直に受け取った。