姫輝 マリア


女は外に手を指しのべた
すると、2匹の小鳥が女の手に止まった

普通じゃねぇ・・・。
異上な光景。
でも、この女がやってると普通に見える
どこかの姫かよ…。

女は小鳥を撫でながら、俺の前の席のイスを引っ張り、俺達の前に座った

「…触ってみて」
女はゆっくり俺達に鳥を近づける

「無理。鳥とか触った事もねぇし」
修は固まってる。
すると、女は「大丈夫」と言って俺達の手に鳥を乗せた
鳥は俺の目をじっくり見てる

「目を逸らさないで」
女は小声で言った
俺はなんとなく鳥の目を見てた

すると、鳥は俺の手から飛んで、頭に乗っかった。
修は鳥が肩に乗ってる

「これで、友達」
女は優しい顔をして、俺達を見た

修は顔を真っ赤にして女から顔を背けた
女は修を見て不思議そうな顔をしてる

「…君、名前は何?」
…修が……喋った。
…超珍しい。

女は少し驚いたが、すぐに微笑んだ
「あたしは、野々倉捺。…君は?」
「……立倉修」
「修って…呼んでいい?」
女は慎重に聞いた
修はちょっと戸惑って、首を横に振った
「…ダメなんだ」
女は少し悲しそうな顔をした


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