姫輝 マリア

「…修、いつもの。行くぞ」
日向がそれだけ言うと、修は頬を膨らませた
「だって今回もどうせ…」
「今回は沖縄の旅行券だ…」
「ウッシャぁ!!!行くぞ!!!」
「「「単純」」」

あの~。
「一体…何の話を?」
「あ。捺に言ってなかったっけ?」
…はい。
一言も…。

「ここは学園祭で、修学旅行の行き先が決まるんだよ」
「へぇ~」
「んで、その決め方が、コスプレ競争で先にゴールしたクラスから、決められるんだよ」

……コスプレ競争?!

「…簡単だ。紙に書いてある、衣装に着替えてゴール目指して、走ればいい」

…イヤだ。

「もちろん。捺も参加だぞ」
ゲッ……。

「んじゃ、行こうかっ!!」
私は修にお姫様抱っこをされて、下まで連れて行かれた



――――――――――――――

「…本当に、やるの?」
「…そうだよ。逃げないでね?」
…拓の黒い笑顔。
私、きっと逃げれない。


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