三角形(仮)



「すいません、お待たせしました。失礼します」


目を見てお辞儀をした後、隣に座る。


「清〜会いたかったぁ。」


座るなり抱き着かれる。





幸いここはVIPルームなので他の席からは見えない。



「久しぶりじゃん。仕事忙しいの?」


俺も背中に腕を回し抱き返す。



「うん、そうなの。ドラマが終わったと思ったら今度は映画。清に会う時間もなかなかできないし…もぅ嫌!」





七瀬かずさ、20歳。

CMにドラマ、映画と引っ張りだこの売れっ子女優。


来るのは不定期だが、来る度に大金を落としてくれる、かなり太い客だ。





「あ、清何飲む?」

腕を少し離し、顔を上げて聞かれる。


「ん〜何にしよ。‥かずはオレンジ?」


「うんっ」


かずさは酒が弱く、少し飲むだけで真っ赤になるため、いつもジュースだ。


そのかわり俺が飲んでるのを見るのが好きらしい。





「今日遅刻してあんまり食ってないんだよねー。食べ物頼んでいい?」

「いいよ!かずもフルーツ盛り合わせ食べるぅ」










結局、一番高いフルーツの盛り合わせと、摘める料理が数品。
20万のブランデーを頼んだ。



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