三角形(仮)



カンッ

「かんぱーい」

「いただきます」


俺はかずさの肩に腕を回し、かずさも俺の肩に頭を預ける体勢をとる。


「そういえば、かずの映画いつ公開すんの?」


「来年の春〜。‥そうそう!聞いて、その映画でキスシーンがあるんだけどね。相手、真田隆なの!超最悪!!」


俺の肩に預けていた頭を上げ、眉間に皺を寄せて見上げてくる。





「あ〜今人気の。何で?良いじゃん」


「よくない!!かず、ああいう可愛い顔の男大っ嫌い!女みたい」

今度は唇を尖らせる。


「そーなの?じゃあ奏さんとかダメ?」


奏さんはどちらかと言えば可愛らしい顔立ちだ。


それで年配の女性には人気なんだが。


「んー顔はあんまり好きじゃないかも。でも奏さんは優しいし。真田は性格もナヨナヨしてて嫌なの!清みたいにハッキリして欲しい」

「俺プライベートは意外とナヨナヨしてるよ?」


どんな反応をするのか、冗談で言ってみる。


「嘘?!見たい〜清だったら許せる!」


「なんだそれ。つか、嘘。俺超テキトー人間だし」


「嘘なの?でもかずはどんな清でも好きだよぉ〜」


上目遣いで見つめてくる。


かずさの頭を軽くポンポンする。

「真田にもそう思えれば良いんだけどな」


「真田は無理!清だけだしぃー」

そう言って俺の胸に抱き付く。



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