三角形(仮)
俺は、かずさの背中に左腕を回しながらブランデーを飲む。
ふと、そういえば最近彼女を抱きしめてない事に気付いた。
どんな抱き心地だったか忘れかけている。
尤も抱きしめるどころか、視界に入れてさえいない状況だ。
何故、俺は彼女じゃなきゃダメなんだろうか。
彼女以外にも女性は沢山いるというのに。
俺はモテるし、今かずさに「付き合って」と言えば、すぐに付き合えるだろう。
太い客を逃す事にはなるが、周囲に自慢出来る。
人気急上昇の女優だけあり、外見はスタイルも良く、可愛いと思う。
普通に生活してたら、まず出逢わないレベルの高さにいる。
性格は我が儘そうだが、俺には一途だろう。
そんな事を考えていたら、かずさが急に立ち上がる。
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