三角形(仮)



俺は、かずさの背中に左腕を回しながらブランデーを飲む。







ふと、そういえば最近彼女を抱きしめてない事に気付いた。


どんな抱き心地だったか忘れかけている。


尤も抱きしめるどころか、視界に入れてさえいない状況だ。






何故、俺は彼女じゃなきゃダメなんだろうか。


彼女以外にも女性は沢山いるというのに。


俺はモテるし、今かずさに「付き合って」と言えば、すぐに付き合えるだろう。





太い客を逃す事にはなるが、周囲に自慢出来る。


人気急上昇の女優だけあり、外見はスタイルも良く、可愛いと思う。


普通に生活してたら、まず出逢わないレベルの高さにいる。


性格は我が儘そうだが、俺には一途だろう。















そんな事を考えていたら、かずさが急に立ち上がる。



< 25 / 77 >

この作品をシェア

pagetop