三角形(仮)



仕事中に何を考えているんだ。
ホストとして未熟な自分に嫌気がさす。





かずさは立ち上がったと思ったら、今度は俺の膝の上に座った。


俺と向き合う形だ。


短いスカートを穿いているが、気に留めていない様子。


俺の首に両腕を回し身体を密着させてきた。





「どーした?今日はかなり甘えたじゃん」

「今度いつ清に会えるかわかんないからチャージ中」

「俺チャージ?」

「うん」


俺は酒をなんとかテーブルに置き、両腕をかずさの腰に回す。


「ちゃんとチャージ出来てる?」
「まだ足んない」


抱きしめる力を強くしてみる。


「まだ?」

「全然まだ〜」

「どうすればいい?」


かずさは俺の首に巻き付けていた腕を緩め、上目遣いで俺を見詰める。


「…‥キスして?」





……。


「ダメ」


「え゛ー何でよ!」


かずさは唇を尖らせ不満そうな顔をする。


「そーいうの禁止なんだよ。見付かったら俺、罰金払わなきゃだし」

「見つかんないよ!!罰金だって、かずが払うし!」


「……。したら満足?チャージ完了?」

「満足!完了!」


俺の言葉に食い気味で答えるかずさに、


「どうすっかな〜」


俺は意地悪な顔を作り言う。


「お願い!真田とする前に清と‥」


かずさの言葉を最後まで聞かずキスをする。












最初は触れるようなキスを。
そして舌を絡め、お互いの唾液を交換するような深く濃厚なキスへと移る―‥



< 26 / 77 >

この作品をシェア

pagetop