三角形(仮)
仕事中に何を考えているんだ。
ホストとして未熟な自分に嫌気がさす。
かずさは立ち上がったと思ったら、今度は俺の膝の上に座った。
俺と向き合う形だ。
短いスカートを穿いているが、気に留めていない様子。
俺の首に両腕を回し身体を密着させてきた。
「どーした?今日はかなり甘えたじゃん」
「今度いつ清に会えるかわかんないからチャージ中」
「俺チャージ?」
「うん」
俺は酒をなんとかテーブルに置き、両腕をかずさの腰に回す。
「ちゃんとチャージ出来てる?」
「まだ足んない」
抱きしめる力を強くしてみる。
「まだ?」
「全然まだ〜」
「どうすればいい?」
かずさは俺の首に巻き付けていた腕を緩め、上目遣いで俺を見詰める。
「…‥キスして?」
……。
「ダメ」
「え゛ー何でよ!」
かずさは唇を尖らせ不満そうな顔をする。
「そーいうの禁止なんだよ。見付かったら俺、罰金払わなきゃだし」
「見つかんないよ!!罰金だって、かずが払うし!」
「……。したら満足?チャージ完了?」
「満足!完了!」
俺の言葉に食い気味で答えるかずさに、
「どうすっかな〜」
俺は意地悪な顔を作り言う。
「お願い!真田とする前に清と‥」
かずさの言葉を最後まで聞かずキスをする。
最初は触れるようなキスを。
そして舌を絡め、お互いの唾液を交換するような深く濃厚なキスへと移る―‥
。