三角形(仮)



太一が明日香の隣に座る。



「すぐるくんはどんな子がタイプ?」


上目使いで真帆に聞かれる。


「んー……どうだろ?」

「え、じゃ私みたいな感じは?」

「いいと思うよ」

「本当に?」



勝手に腕を絡められ、身体が密着する。

顔も近い。



「ほんと」

「嬉しいー。私就活中で一人だけ黒髪だから、浮いてると思ってたの。それにすぐるくん私のことタイプじゃなさそうだったから。」

「それで黒髪だったんだ。ていうか、逆に黒髪似合ってるよ、真帆ちゃん美人だし。」



俺は言いながら微笑んで見せ、髪を撫でる。










…いけない、つい仕事の癖が出た。

いや、仕事病というか、ココと付き合う前までの俺は元々こうだったのかもしれない。

本来の俺に戻っただけだ。





真帆を見ると、頬を赤く染めて嬉しそうな表情をしている。

あーヤバい、気のある素振りをしてしまった。





「ちょっとトイレ」


俺は一旦トイレへ避難する。




< 70 / 77 >

この作品をシェア

pagetop