完全秘密主義恋愛♥


「ほら!高瀬さんってわからないでしょ!?」


さっきの三人のうちのまとめ役みたいな仁川(にのかわ)さんが、あたしの方に走って寄って来て興奮したように、新しく来た子たちに言った。


他の子たちも「えーっ!!」と歓声をあげながら寄って来た。


お、お、何これ。

ちょっと緊張。


「高瀬さん可愛いー!!メガネやめてコンタクトにしたらいいのにー」

と、メニュー関係リーダーの谷原さん。


「やばぁ~。チョベリバかわいい~。マジ好み~」

現代日本においてもはや絶滅危惧種となっている、一昔前のギャルのような容貌の梅田さん。


「ちょー、ウメってば高瀬サン喰っちゃダメだかんね~?」

パシッと梅田さんの頭を叩くボブヘアーの戸梶(とかし)さん。


「高瀬さん、実は清楚系キャラだったんだね~」

にこ、と雑誌のモデルのような渇いた笑みの小野寺さん。


「可愛い~」

と、他の子たちも言った。


反応に困る…

さっきから笑って返すことしか出来てないっ…!


「やっ、でも、ほぼ『作者:宝』って感じなんだけどっ!」

慌てて咳きたてるように言った。

って、

はっ…!

みんなあたしを見て固まっている。


うわ、やばい!どうしたらいいの!?


「ぶッ」

「「あははははっ」」

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