完全秘密主義恋愛♥
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「いらっしゃいませ。何名様でのご来店でしょうか?」


「誰か空いてる人オーダーお願い!」


「メニュー足りないよ!誰か余ってない!?」


「ありがとうございましたー!」


机とかロッカーとか、いらないものはすべて出して喫茶店にセッティングした教室は、明らかに定員オーバーの人口密度でごった返していた。



「盛況なのはいいけど………キツイ!」


あたしは教室の中のついたてで仕切られたバックヤード的な所で少しだけ休憩することにした。


「高瀬さん、大丈夫?」


ふと、顔を上げるとメニュー関係女子リーダーの谷原さんが、保冷ボックスからケーキのストックを出しながら訊いてきた。


「あ、うん。ちょっと休憩したらすぐ行く」


少し笑って言うと、谷原さんはほっと息をついて微笑む。


「もうちょっとでシフト交代だよね?もともと高瀬さんは内装グループなんだからそんなに接客頑張らなくてもいいんだよ」


「うん、そう言われればそうだよね」


接客は、主にメニューと衣装のグループが担当で、内装の主な役割は教室外での宣伝、と決められてたんだ。


で、さっきまではメニューと衣装の休憩中の人代理として、内装から駆り出されたというわけ。


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