完全秘密主義恋愛♥
「愛南(あいな)ー、チーズケーキまだ?」
田中くんがついたてから顔だけ覗かせた。
ん…?愛南?
田中くんを見た谷原さんはパアッと目を輝かせた。
「待って、亮(りょう)。今行く」
谷原さんはせかせかとボックスからケーキを出すと、「じゃ、残りも頑張ろ!」という言葉を残して行ってしまった。
えーと…。
もしかしてもしかしなくても
あの二人は付き合ってんのかな…?
ひとり合点がいって思わず頷く。
うーん。
あたしこういうのは疎いんだけど、それでもちょっとはそんな『○○が△△と付き合っている』話は入ってくるんだけどな。
気付かなかったってことはかなり最近付き合いだしたってことか。
あたしは立ち上がると、窓ガラスに映った自分を見た。