完全秘密主義恋愛♥
「あれ、高瀬さん何か顔赤くない?」
戸梶さんがボブの髪を揺らして小首をかしげる。
うそっ!まだ赤い!?
両手で頬をぺたっと触る。
「熱?」
ふわ、と安藤の手があたしのおでこを触った。
「…っ!?」
さっきよりもっとかああッと熱くなるのが分かった。
「ってうわっ!すっげえ熱いし!お前大丈夫かよ!?」
安藤が驚いて手を引っ込めた。
明らかにあんたのせいだよっ。
あたしは恨めしい思いで軽く安藤を睨む。
「大丈夫。何でもない」
思わずぶっきらぼうにプイとそっぽを向く。
「キツかったら言ってね?」
戸梶さんはそんなあたしの様子を不思議がりながらも心配してくれた。
何だか申し訳ない気持ちになってきた。
「大丈夫!ほらッこの通りだから、ね?」
パッと両手を広げて後ろ向きに教室の仕切を跨いだ。
…と、バランスを崩してふらつく。
「あっ…!」
とっさのことに、みんな目を丸くして驚いている。
ヤバい!!倒れる!!
あたしは目をギュッと閉じて痛みが来るのを待ち構えた。
…はずだった。