完全秘密主義恋愛♥
不意に、ふわりと後ろから誰かに背中を優しく支えられるのが分かった。
「…あ、あれ?」
目を恐る恐る開けた。
痛くない。けが…してない。
「…お前…」
目の前で安藤はあたしの後ろを見て目を丸くしていた。
だ、誰…?
そう思って振り返ろうとしたら、随分聞き覚えのある低音の声があたしの耳のすぐ近くで聞こえた。
「…久しぶり。安藤、……瑆乃」
まさか……。
ごく、と唾を飲みこんだ。
恐る恐る振り返ると……
「和樹(かずき)……」
少し眉を下げて困ったような顔の
山根 和樹がいた。