完全秘密主義恋愛♥
「…山根、高校そっちどんな感じ?楽しい?」
山根 和樹は安藤の質問にほっとしたように答えた。
「気のいいやつばっかでそれなりに楽しいよ。ふたりともうちの学校受けたら良かったのに」
『ふたりとも』と言ったとき、あたしをチラと見た。
てか、安藤の成績で山根の高校に受かるわけがない。受かったら奇跡だ。
「あたしは家が近くて宝がいるこの学校がいいの」
「……そっか」
山根 和樹はまた哀しそうに微笑んだ。
何で、微笑うの?
何か…変……。
何であたしこんなにつっけんどんな態度とってんの?
すごくイライラする…。
安藤はあたしを見て呆れた顔をしていた。
きゅうっと胸が痛い。
だめだ。
これ以上山根 和樹といたら何かが壊れる。
「ごめん…、みんな待ってるから…」
俯いて言って戸梶さんたちのところへ行くために後ろを向いて走り出そうとする。
「……っ、瑆乃っ!」
少し振り返ると、山根 和樹はまた哀しそうな、辛そうな顔をしていた。
「……メール…するから……」
あたしはギュッと目をつぶって走り出した。
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